脂性肌あきらめないで!肌質改善の道しるべ

普段から、お肌が全体的にベタついていたり、テカっていますか?
そんなあなたは、ご自分が「脂性肌(オイリー肌)」とお悩みかもしれません。
でも実は、お肌がテカっていても、肌内部の「乾燥」に原因がある場合もあるんです。

まず、あなたのお肌が「脂性肌」なのかチェックしてみましょう。

□洗顔後、30分ほどすると、皮脂で顔がテカテカしてくる
□夕方になると、くすみや化粧崩れが気になり、朝の顔とは違う感じがする
□毛穴の開き、詰まり、黒ずみが気になる
□ニキビが出来やすく、治ってはニキビになるを繰り返している
□肌のキメが他の人より粗く、汚れているように見える

さて、あなたは、何個チェックがつきましたか?

●1つもチェックがなかった
あなたはおそらく脂性肌ではありません。

●1つチェックがあった
皮脂分泌が多いかもしれません。

●2つ以上チェックがついた
いわゆる「脂性肌」の可能性が高いです。

脂性肌は、何らかの原因で皮脂分泌が多くなっている状態です。遺伝を除けば、その原因を取り除けば、肌質改善も狙えます。

お肌がベタついていると、ファンデーションのノリも悪くなったり、化粧崩れしやすくなりますし、テカリも気になるしで、悩みが尽きないですよね。

今回は、脂性肌の原因と改善するための対策を解説します。

脂性肌の原因は皮脂分泌が過剰だから?

脂性肌は、明確な定義や指標はないのですが、一般的に「皮脂量」「水分量」ともに多い状態をいいます。
この肌質は“絶対に変わらない”わけではなく、あくまでも一時的なお肌の状態ということは覚えておいてください。

原因としては、主に7つが挙げられます。

①生まれつき皮脂量が多い遺伝的なもの
②思春期など、年齢的なもの
③夏など、皮脂が分泌しやすい時期等、季節的なもの
④間違ったスキンケアや思い込み
⑤食生活
⑥生活習慣
⑦肝機能の低下

つまり、遺伝的なもの以外では、年齢や外部環境、日常生活の過ごし方、スキンケアの仕方によってお肌の状態が左右されるわけです。

それぞれ詳しく紐解きましょう。

①生まれつき皮脂量が多い遺伝的なもの

「脂性肌」でお悩みの方は、ご両親のどちらかがテカリ肌ではないですか?
顔や体質だけでなく、肌質も親から遺伝することがあります。

皮脂分泌が多い原因として、「5αリダクターゼ(ファイブ アルファ リダクターゼ)」という酵素が多いことが挙げられていて、この量は遺伝によるものが大きいとされています。

5αリダクターゼは皮脂腺の中、つまり毛穴の中にあります。なので、毛穴の開きにもこの酵素の遺伝が関わっています

だから、脂性肌の方は、お肌のベタつきやテカリだけでなく、毛穴の開きにも悩まされることが多いと言えます。

②思春期など、年齢的なもの

女性の場合、年代や生理周期でホルモンバランスが変化するので、その影響で皮脂量も大きく変わることがわかっています。

10代の思春期の頃はホルモンの分泌量が多く、皮脂分泌が活発になるのでニキビやいちご鼻、毛穴のつまりといった症状が出てきて、「脂性肌」に悩まされる方が多くいます。この頃って、あぶら取り紙が必需品だったりしますよね。

20代では女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌量が増えるので、皮脂分泌が抑えられるようになってきます。その理由は、エストロゲンには皮脂を抑制する働きがあるからです。

ところが、30代後半~40代になると「エストロゲン」の分泌量が減っていく一方で、男性ホルモンの「アンドロゲン」が増えてきます。
そのため、皮脂線が刺激されて、皮脂分泌が過剰になることがあり、これが原因で「脂性肌」になることがあります。
気をつけたいのは、アラフォーの時期に間違ったスキンケアをしてしまうと、インナードライ肌などにもなってしまいます。

年代によって、お肌の状態は様々に変化します。年代別エイジングケアの道しるべである「お肌のエイジングインデックス」を参考に、自分のお肌がどんな状態かを知っておくとよいでしょう。

③夏など、皮脂が分泌しやすい時期等、季節的なもの

皮脂にとって気をつけたい季節は、「夏」と「冬」です。

夏は、気温も高く、その上紫外線も一年で最も高い季節です。
だから、脂性肌の方はとくに憂鬱になる季節ですよね。

普通肌や乾燥肌の人ですら皮脂が増えて、ベタつきやテカリも気になる季節です。
なぜなら、

暑さで汗をかくのと同時に皮脂も他の季節より多く分泌されます。汗は蒸発しますが、皮脂はお肌に残ります。

気温が高いので、皮脂が柔らかくなってお肌の表面に流れやすくなります。だから、脂性肌以外の方も、お肌のベタつきやテカリを感じるのです。

汗が蒸発するときにお肌の水分が奪われますが、特に汗をかいたあとに冷房の効いた乾いた部屋で過ごすと、過剰に水分が奪われます。
そうすると、お肌がバリア機能を保とうとして、皮脂を過剰に分泌することがあります。

汗は脂性肌の方にとってはあまり良い影響を与えていませんが、汗にもメリットがあります。くわしくは、「エイジングケアは自分の汗で!汗は最高の美容液?!」をご覧ください。

そして冬は、ただでさえ乾燥した季節なのに、暖房の影響でお部屋の湿度も低くなっています。お肌は、乾燥がひどくなるのに抵抗しようとして、お肌のバリア機能を保とうと、皮脂を過剰に分泌することがあります。

④間違ったスキンケアや思い込み

脂性肌の方でお肌のベタつきを極力解消しようとして、こんなスキンケアをしている方はいませんか?

●さっぱりしたいので、強い界面活性剤が配合されたクレンジング、洗浄力の強い洗顔料やスクラブ洗顔をやり過ぎたり、ゴシゴシと肌を強くこすって洗顔している。

●1日3回以上洗顔している。

●油分が多い洗顔料や化粧品を避けて、アルコール配合の化粧品を使い過ぎている。

●皮脂を取るために、必要以上に油取り紙を使っている。

●お肌のベタつきを避けたいので、保湿ケアはあまりしない。

これでは、お肌の角質を剥がしたお手入れになってしまっています。
そのため、表皮が角化しやすくなってバリア機能が低下するので、お肌は皮脂分泌を一生懸命してお肌を守ろうとしてしまいます。

つまり、「過剰な皮脂対策が、皮脂分泌を促進し、悪循環に陥っている」わけです。

⑤食生活

食べ物の中には、皮脂の分泌を過剰にするものがあります。
それは、中性脂肪(トリグリセリド)になりやすい成分を含む食べ物と、血糖値を急上昇させてしまうGI(グリセリックインデックス)値の高い食べ物です。

中性脂肪になりやすい食べ物には、お肉の脂身、動物性脂肪が多いもの(バター、生クリーム、チーズなど)、砂糖、果物、アルコールがあります。

血糖値を急上昇させる食べ物には、糖分(グラニュー糖、白砂糖、氷砂糖など)、精製された穀物(小麦粉、白米など)、パンや麺類、チョコレート、ケーキ、ジャガイモ、ニンジンなどです。

⑥生活習慣

ホルモンバランスが皮脂分泌に大きな影響を与えています。
バランスのとれていない食生活、睡眠・運動不足やストレスの多い生活習慣を送っていると、ホルモンバランスが乱れます。結果、脂性肌へとつながるわけです。

⑦肝機能の低下

お酒の飲み過ぎ、暴飲暴食、過労、喫煙、運動不足による代謝低下が原因で肝機能が低下すると、ホルモン(プロゲステロン)の代謝が悪くなって、皮脂が過剰分泌することがあります。
つまり、肝機能の低下や肝臓の病気などが、脂性肌の原因になることがあるわけです。

脂性肌を改善するためにできること

遺伝や年代によるエストロゲン低下に伴う脂性肌以外は、ちょっとした努力で改善できます。
「目指せ!過剰な皮脂分泌のないお肌」で、食生活や日常生活、スキンケアを気をつけてみます。

食べ物による改善

ファーストフードや脂っこい食事、炭水化物、スイーツなど、脂質やGI値の高い食べ物を撮るのを控えると、脂性肌の改善に役立ちます。
また、皮脂をコントロールするビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCが豊富な食品を食べるようにしましょう。
その他に、烏龍茶や黒烏龍茶も脂肪吸収を抑える働きがありますので、適度に飲むこともオススメです。ただし、飲みすぎるとお肌が乾燥するので気をつけてくださいね。

★皮脂をコントロールする食品

成分 概要と効果
ビタミンB2 豚・鶏・牛レバー、うなぎ、牛乳、納豆、アーモンド、卵など
ビタミンB6 かつお、まぐろなどの魚類、レバー、肉など
ビタミンC 赤・黄ピーマン、アセロラ、ゆず、いちごなど

生活習慣を少し変えてみる

できることから少しずつ生活習慣を変えて、脂性肌を改善していきましょう。この日常生活の変化が、そのままエイジングケアにとっても効果的なんですよ。

●ウォーキングやストレッチなど適度な運動を心掛ける
●タバコを吸わない
●受動喫煙(周りの人の副流煙)を避ける
●お酒を飲み過ぎない
●肝臓に負担をかける暴飲暴食などはしない
●質の高い睡眠を十分に取る
●過労
●ストレスを避ける
●脂性肌で毛穴の汚れが気になる場合、洗顔前に蒸気で汚れを浮かす

スキンケアやエイジングケアでの改善

「メイクは必ず落とす」これはどの肌質でも大切ですが、メイクを落とさなければメイクの成分が過酸化脂質になってしまいますので、特に脂性肌の人は、帰宅後すぐにメイクを落とすようにしましょう。

クレンジング

まず、クレンジングは、クリームタイプかミルクタイプの刺激の少ないものを選んで、2分以内でメイクすべてを落とすようにしましょう。

また、Tゾーンだけでなく、加齢とともにUゾーンも皮脂分泌が増えてくるので、エイジングケア世代はUゾーンも意識してください。

洗顔

洗顔は、添加物の少ないシンプルなもので、適度な洗浄力のあるものを選びましょう。過度に洗浄力の強いものやスクラブ洗顔、メンソール配合、アルコール(エタノール)配合などサッパリ系は避けた方がよいです。
洗顔回数は1日2回まで。
皮脂をしっかり落としながらも、やさしい洗顔料でお肌に摩擦をあたえない洗顔を心掛けることが大切です。

洗顔の詳しいことは、「洗顔の正しい知識でランキング不要のオススメの洗顔料の選び方」に書かれています。

基礎化粧品

それぞれの年齢や、脂性肌の原因・状態で変わってきますが、お肌の基本は肌質に関係なく「保湿」です。プロテオグリカン、ヒアルロン酸、コラーゲン、アミノ酸などの入っている化粧品を選びます。

皮脂のコントロールには、ビタミンC誘導体や、抗酸化成分であるビタミンE誘導体などや、レチノイン酸トコフェリル、レチノール、マメリスエキス・アーチチョークはエキスなどが入っているものがよいでしょう。

その他には、保湿・抗酸化・エイジングケアを同時に望むならナールスゲン、油溶性の保湿成分としてはセラミド、シアバターなどが入っている化粧品を使うとよいでしょう。

夏や冬に気をつけること

エアコンなどによる冷暖房は乾燥肌を招きます。お肌が乾燥すると皮脂分泌が過剰になり、脂性肌へとつながりますので、冷暖房を使う際は、同時に加湿器もつかって湿度をコントロールしましょう。
そうすれば、お肌の水分が保たれますので、皮脂分泌も自然に正常になるよう調整されます。

脂性肌は、丁寧なスキンケアと、食生活・日常生活の改善、生活環境の工夫などを組み合わせることで、改善できます。

より詳しいことを知りたい方は、「脂性肌(オイリー肌)は改善できる!7つの原因と5つの対策」を参考にしてください。

 

    
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